木魚歳時記 第3814話

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 門院は鳥羽院の鳥羽院の御願寺たる高野の伝法院の覚鑁上人(かくばんしょうにん)の高弟兼海には平素から深い帰依で、当時蹴(け)まりの名手とうたわれた寵臣藤原成道の末子を猶子とした大納言のアジャリを身代りに高野に遣わして上人に仕えさせていたし、また鳥羽院のおん菩提のために、門院ご直筆、題簽(だいせん)の紺紙金字の一切経とその経蔵(きょうぞう)とを寄進したほどであったから遺骨を高野山へというのはよくわかるが、たとい三代の因縁とはいえ、特に隆信に守らせよという名ざしのあったのは、人々にはもとより、当の隆信にとっても全く思いがけない思し召しであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)502

         恋猫の二つの耳と二つの目

「ボクの細道]好きな俳句(1565) 今井千鶴子さん。「ミッキーの風船まるい耳ふたつ」(千鶴子) ミッキーマウスの耳は大きくて、しかも、二つついています。あたりまえのことです。目も眉毛も二つついています。さて、掲句は、ボクが妻と出会った(半世紀以上も昔)を回想した作品(再掲)です。ボク自身は少々気に入っています。ところで、「恋猫の二つの耳と二つの目」の今や如何に(???)。

 孔雀(くじゃく)1 今日こそ間違いなく結婚式が挙げられるだろう。
実は、昨日のはずだった。彼は正装をして待っていた。花嫁が来さえすればよかった。しかし、もうほどなく来るだろう。