木魚歳時記

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木魚歳時記 第3642話

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 しかし戒も定も慧も、どの一つとして満足にそなええることもできそうにないわが身ではないか。これを成就した古人があったのも、むしろ不思議と思うほどの至難事ばかりである。身をこんな愚か者だとは今日の今まで知らなかった。と彼はいたすらに恥じ入りつつ師の皇円にそれを語ると、師匠は、
(佐藤春夫『極楽から来た』)343

      わび助の二つ咲きたり山の寺

 「ボクの細道]好きな俳句(1393) 安住 敦さん。「雪の降る町といふ唄ありし忘れたり」(敦) 有名な童謡です。しかし、正確に復唱することは出来そうでできない。そのことを「忘れたり」と言い切ったところが秀逸です。この作者のすきなのは、「難しいことを易しく。易しいことをより深く。より深いことを楽しく」(井上ひさし)を、現実の作品に示されることです。言い易くして出来難いことです。