木魚歳時記 第2750話

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 (争闘)師(ブッダ)は答えた。「名称と形態とによって感官による接触が起こる。諸々の所有欲は欲求を縁として起こる。欲求がないときには、(わがもの)という我欲も存在しない。形態が消滅したときには(感官による接触)ははたらかない。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(513) 波多野爽波さん。「美しやさくらんぼうも夜の雨も」(爽波) さくらんぼうが夜の雨に濡れ輝いている。美しい映像が浮かびます。ところで、「さくらんぼう」は比喩? だとすると「さくらんぼう」とは? 例えば、「浴後裸婦らんまんとしてけむらへり」(日野草城)の作品もあります。しかし、爽波さんの<さくらんぼう>は、豊満な裸婦でなく、清楚で可憐なさくらんぼうか? と、ボクの妄想はかぎりなくふくらみます。

         起し絵の女ぬけだす丑の刻 

                      丑(うし) 刻(こく)