「烏芻沙摩明王」(うすさまみょうおう)をお祀(まつ)りする大竜寺(だいりゅうじ)は、もとは、裏寺町の繁華街にあったが、いまは右京区の福王子のあたりに移転した。
「いだかれてあるとも知らずおろかにも
われ反抗す大いなる手に」(九条武子)
昔、都に疫病(えきびょう)がはやったとき、庶民が苦しむのを見て、源連社(げんれんじゃ)という僧が<うすさま>の法力(ほうりき)にすがり、苦しみを救おうと青竜寺を建てたそうな。以来、女性の健康をつかさどる寺、子宝に恵まれる寺、として信仰を集めてきたそうな。裏寺町にあったころは、祇園(ぎおん)、先斗町(ぽんとちょう)の舞妓(まいこ)さんや、地元の人が絵馬(えま)を奉納したそうな。<大竜寺:右京区梅ヶ畑高鼻町三十七>