衆寶王菩薩のうつ鐃は一仏乗をさんだんす
衆寶王菩薩(しゅうほうおうぼさつ)は、七宝(しっぽう)をはじめ一切の珍しい宝物を自由に集めることができる菩薩です。その徳で衆生をお救いになります。手には「鐃」(にょう)、すなわち<ドラ>)をお持ちになります。
仏教では「一乗」(いちじょう)ないし「一仏乗」(いちぶつじょう)と説きます。おなじ一つの乗り物の意味です。これは仏も衆生もおなじ乗物で悟の岸に至ることをたとえたものです。衆寶菩薩(しゅうほうおうぼさつ)の打たれるドラの音(ね)は、「一乗仏」(いちじょうぶつ)の説法をたたえるかのように、おごそかに響いてきます。