木魚歳時記 第628話

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 一味(いちみ)というと、悪事をはたらく者たちの仲間といった感じですが、一味同心のことばがあるように、もとは、一致団結した集団(一揆)の結成・誓約に用いられたようです。

  「未練が老醜の
    はじまりではないだろうか」(中野重治

 仏教では、仏の説法の平等性(同一の味)を喩えて一味ということばを用います。ひとつの雲から降りそそがれた同一の味の雨が、地上の大小さまざまの草木をうるおし、それぞれの性質に応じて生育・結実させるように、仏はすべての人々に対して同一に悟りへの道を説かれ、人々はそれを聞いて修行する・・・ということになります。ですから<一味の法>とか<一味の雨>と呼ばれます。

    萩焼に五杓の酒や花あかり