木魚歳時記第4890話

 『ご房は世に高名の上人とか、定めし道中のお布施も多かろう。それを分配頂こうとわれら兄弟で参上、お驚かせ申して相すみませぬ』
というと、静かに伏せていた眼をかっと見開きただならず光らせて、
『それはご苦労、相すまぬはこちらのこと、日々の糧(かて)は朝恩で行く先々にあるし、道中は身軽を第一と考えて、布施は一切受けて参らず』
(佐藤春夫『極楽から来た』)

      優曇華にもっとも近き求道僧    曇華(うどんげ)

 「優曇華」(うどんげ)は夏季となります。草蜉蝣(くさかげろう)の卵は、その形状がとても珍しいところから、(経典の中に)3千年に一度咲く花として伝えられています。さて、仏教は、原因結果ではなく!「出会い」「縁」(えにし)を大切にする教えです!