木魚歳時記第4867話

 未明の都門を朝霞にまぎらせて追放しようという企てにもかかわらず、上人遠流の日を聞き知った道俗の老若男女が輿を迎えて上人を見送る人垣が、造り道の左右に群れていた。その気配に気づいた法然は自身で輿の帳(とばり)をはね上げて、にこやかに顔を群集に向け、
「道すがら行く先々の人々を感化(かんげ)するのを楽しみに出で立ちなすぞ」
と会釈すると、六字名号の停止(ちょうじ)も何のその、人垣の中からは異口同音の念仏が松籟(しょうらい)のように起こって、なかには涙にむせぶのもまじっていた。佐藤春夫『極楽から来た』)

         これからは肺不全とや捩れ花 

「捩れ花」(ねじればな)は夏季となります。さて、ぼくの病名は? と、伺うたところ! 肺の不全です(汗)。不全とは! と、伺うたところ! まあ、老衰やなあ! と、告げられました(笑)。毎日を無事に過ごさせていただき! ありがたいことです。