木魚歳時記第4822話 

 彼らはともに美声で、その六時礼讃の声はあたりの静かな山林に響き聞こえるのが、付近の人々の聞きつけるところとなり、やがてその噂が市中にまでひろがって行き、この修法がいつか都の名物ようになった。
 六時礼讃は、別に定まった節拍子とてなく、おのおのの哀歓喜悲の曲調をなすさまがめずらしく、美声に加えて二人とも年若く品格卑しくない美貌の僧であったから、その評判は日に日に高く、都の子女のものめずらしくなつかしげにここに集まるものが少なくなかった。(佐藤春夫『極楽から来た』)1454

         求むべきものゝ極みやなめくじり

「蝸牛」(なめくじ)も「なめくじら」(傍題)も夏季です。「人の上も下の人も見て暮らせ」。これは、相棒のお父さんが相棒に教えられていた教訓だそうです。その成果でしょうか? ともかく相棒は、肝っ玉が据っています。ぼくとは勝負になりません(笑)。助けられています。感謝しています。