木魚歳時記第4750話

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 元久(げんきゅう)元年に法然が「一分(部)ノ教文ヲ学スル弟子等頗(すこぶ)ル旨趣ヲ知リ、年来ノ間、念仏ヲ修スト雖(いえど)モ、聖教ニ従順シ、敢(あ)エテ人心ニ逆(さから)ワズ、世ノ聴キヲ驚カス無シ。茲(ここ)ニ因リテ、今二三十箇年、無為ニシテ日月ヲ渉(わた)ル。而(しこう)シテ近来此十ヵ年ニ至りテ以後、無智不善ノ輩(やから)時々到来ス。タダニ弥陀ノ浄業ヲ失スルノミニ非ズ、又釈迦ノ違法ヲ汚穢ス」と書いたのは、

(佐藤春夫『極楽から来た』)1386 

          中空を踏み外したる恋の猫    

 たいていの「恋の猫」なら、こんなヘマを打たないでしょう! ぼくの俳句は、モノを「斜めに見る」冷たさがつきまといます。そうです、ぼくは、根が冷たいのです! でも「上手いコト行ってや」。塀の上の、あの凄い声を耳に、思わずエールを送ってしまいます(笑)。