この御影堂のあとに建てられたのが、今の勢至堂(せいしどう)で、この二つの岩の崖辺に法然廟(びょう)が現在おごそかに地を占めているあたりこそ、往年嵯峨野の庵室を移して法然が住んだ中の房の故地として、往時をそのままの地形を保ち存している。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1383
梟の鳴くころ人は馬車に乗る 梟(ふくろう)
宮沢賢一さんの短編(『どんぐりと山猫』)のワン・シーンが浮かぶようなメルヘンティックな俳句です。ぼくの俳句は、日本文学の短編小説などに触発されて作られることもあります。ともかく大変に好きな作品の一つです。文芸の外に「童謡」にも、今、大変に興味があります。