木魚歳時記第4596話

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 「いや事の趣は重源から聞き及んだ」
「その時ついうっかりと、この寺は小乗戒、わが山は大乗戒と口をすべらしたのは、大失策でございました。その一瞬、東大寺の僧兵がギッチリ一団となって聞いていた方角が色めき、ズシリと鎧ずれの音がして、今にも何事も起こらんずけはいにハッといたしましたが、その時、もののはずみには何事か起こるやも知れないと、この狂濫怒涛の(きょうらんどとう)の世を知らしめ給う不断の御叡慮の幾分の一も推し奉るべき思いをいたしましたことにございます」
(佐藤春夫『極楽から来た』)1237

      さつきからがんばりましたかいつぶり  

 「ボクの細道]好きな俳句(2335) 摂津幸彦さん。「愛しきを抱けば鏡裏に蛍かな」(幸彦) 「愛しき」とは、誰のこと? それは作者の胸中を確かめないとわかりません。また「蛍」が具体的に何を意味するするのか? 嗚呼。

大人になるとは
孤独になること
(ヘルマン・ヘッセ)