木魚歳時記第4531話  

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 一門を見捨て給うた院を恨み参らす心も起こらず、祇園、六波羅密寺、白川、東山の寺々の鐘の音を、この世の哀れを告げる声とうつつに聞き入りながら、けさほど未明に、天子のご所在を此処と知らす錦の御旗を、少し聞きみて、金糸まぶしい御紋章の燦然たる菊花を拝して巻き納め、御簾の者に手渡
したのを思い浮かべつつ、気がつくと馬は既に山崎の山裾にさしかかっていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1173     

         さつきから狙われいる鮭弁当 

 「ボクの細道]好きな俳句(2270)  川崎展宏さん。「朝蜩ふつとみな熄む一つ鳴く」(展宏) 蜩(ヒグラシ)は秋の季語です。熄(や)むとは、鳴きやむことです。一つ鳴き止めば、また、別のところで始まる・・まさに蝉しぐれです。さて、トンビに弁当を狙われる心配は少なくなりました。これもコロナ禍のリアクションでしょうか?

人は 一人では
悪くならない
(石川 洋)