木魚歳時記第4190話

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 京の一条から南、九条から北、京極から西、朱雀(すざく)から東の市中に路傍の行き倒れの頭が、四万二千三百にあまったと、長明が『方丈記』に記しているのはこの年のことである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)849

        変態か羽化か脱皮か蝉生る  

 「ボクの細道]好きな俳句(1935) 岩淵喜代子さん。「天井に投げてもみたり籠枕」(喜代子) 「籠枕(かごまくら)」は夏の季語です。竹や籐(とう)で籠目に編んで、箱枕やくくり枕の形につくります。ボクは、これに似た「編み枕」は見たことがあります。さて、羽化ならまだしも、地虫から蝉への脱皮を変態とは! しかし、自然界における「変態」は、その種にとっての大きなエポックです。人類目ヒト科に居る<変態>とは大違いです(笑)。

  わたしや、はちまんしせん(八万四千)でも、
  をやさまも、おやさまもはちまんしせん。
  これが、ひとつの、あむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)