木魚歳時記第4059話

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 「それほどの勇気も執着もありませんでした」
「よかろう。そなたも立派に一人前の男らしいわ。『一色一香中道二非ザル無シ』だ。さすがにそなたの眼は下界の風に吹かれてもいささかも狂わぬ」
 あまり頻繁に山を下ったので叡空は観音像などを語り出して婉曲に聞いてみたが、これで安心した。
(佐藤春夫『極楽から来た』)726

       柿たわわ熊が通つた話など

 「ボクの細道]好きな俳句(1806) 長谷川櫂さん。「朴若葉子規の無念の畳かな」(櫂) 子規の臨終の様子(作品)を念頭に詠まれた作品でしょうか? 以前、古池(芭蕉の作品)について、金子兜太さんと櫂さんの対談を聞いた記憶があります。『古池に飛び込んだ蛙は一匹かそれとも数多くか?』そのとき、櫂さんの「思い入れ」(ゆずらない)の強さに圧倒された記憶が残っています。

 カナリア8  彼はそれよりも木片(きぎれ)の方が好きだ。木片は二本あって、上下に交じり合っている。彼がぴょんぴょん跳んでいるのを見ると、私は胸が悪くなる。その様子はさながら、時間も何もかもわからない振小時計の機械的な無駄骨折りにひとしいものである。何が面白くあんな飛び方をし、何の欲求に駆られて飛び回るのだろうか?