(聖者とは)「他人から与えられたもので生活し、(容器の)上の部分からの食物、中ほどからの食物、残りの食物を得ても(食を与えてくれた人を)ほめることもなく、またおとしめて罵(ののし)ることもないならば、諸々の賢者は、かれを聖者であると知る。」(スッタニパータ)
「上・中・残」とあるのは食物摂るときの順番を指すのでしょう。さて、繰り返すようですが、釈尊の説法が文献(文字)として残ることはありませんでした。すなわち「口伝」(くでん)、「口伝え」の形で弟子たち信者の脳裏に記憶として残るだけでありました。このことが、後世、経典を編纂(へんさん)するときの大きな課題として残ることになります。