木魚歳時記 第1887話

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巨象を計る

 或る国の王のところに天神(てんじん)が現れ、王に対して「あなたが所有する象の重さを知っているか」と尋ねました。もしわからないようなら、国王の地位も、国の運命も、七日のうちに無くなるでしょう。」と告げました。困り果てた王は臣下とも相談しましたが、巨像の重さを計る妙案など浮かぶはずがありません。そこでボサツさまに相談することになりました。話を聞かれたボサツさまは、王に教えてお上げになりました。「まず、象を空(から)の舟に乗せなさい。そして舟が象の重さで沈んだ分、つまり、吃水(きっすい)の沈みを計りなさい。つぎに象の代わりに石ころを乗せるのです。そして、舟が象を乗せたのとおなじ吃水まで沈めば、石ころをすべて陸に移しなさい。それから石ころの総量を計れば、像の体重とおなじになるはずです。」ボサツさまはそういって去っていかれました。(『雑宝蔵経』)

       埋火の跳ねてあかあか東慶寺

                天神=古代インドのバラモン教の神                        東慶寺=鎌倉の縁切寺・駆込寺