木魚歳時記 第1880話

f:id:mokugyo-sin:20140212035413j:plain

オウムの話

 大風が吹き、そして樹が擦(こす)れて、森が大火事となりました。鳥や獣はうろたえ逃げ惑うだけでした。ところが、一羽のオウムが猛火をくぐり抜け、近くの池から、水をクチに含み火にそそぎ消火に努めました。鳥や獣たちは「そんなことをしても無駄だから逃げなさい」。とすすめました。が、オウムは「つづければいつか火を消すことが出来る。たとえこの世で火を消せなくとも・・私の志(こころざし)は広大で無辺(むへん)です」。そういって消火の作業をつづけました。帝釈天(地の神)はそのオウムの行為に感じ入り、大雨を降らせて火事は治まったということです。(『雑比喩経』)

      この山のどこかにきつと狼さま

                    狼(おいぬ)