木魚歳時記 第1876話

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共命鳥(ぐみょうちょう)

 あるところに、共命鳥(ぐみょうちょう)といって、一身二頭、つまり、一つの胴体に頭が二つある鳥が棲んでいました。ところで、この共命鳥の一方のクチバシは、いつも美味しい果実を見つけて食べることが出来るので満足しておりました。しかし、もう一方のクチバシはそれができず、いつも、横目でそれを眺めながら不満でありました。或る日のことです。不満をかかえていたクチバシが、嫉妬のあまり毒のある果実に手を出してしまったのです。そして、共命鳥(ぐみょうちょう)は、そのまま死んでしまいました。ボサツさまは、欲ばりの王のところでこの話をしてあげました。(『雑宝蔵経』)

       冬の夜に蠅が一匹死にました