木魚歳時記 第1729話

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 無知(むち)

 怠け者がいた。或る日、池の底に光るものを見つけた。「これは黄金が沈んでいる」そう思った男は池に潜り探したが見つからない。なんどかくり返すうちに、そばを修行者が通りかかった。修行者はその話を聞くや言った、「池の上に枝を伸ばした菩提樹の茂みを探してみなさい」。そういって立ち去ったという。男がそのようにすると果たして黄金は枝の茂みの中に隠されていた。池の中の黄金とはその影であり男は影を探していたのである。

    寒鰤を丸ごともらひ大騒動