木魚歳時記 第1666話

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  葱だけを見てとんとんと葱刻む   岩田由美

 指先の包丁の動きと刻まれてゆく葱(視覚)、トントンと続く単調な響き(音)の外は、すべてを消してしまった世界、というか、葱を刻む動作だけを見事に作品にする力量。うーん。さて、「林檎が描きたいのか、林檎の絵が描きたいのか、どちらかといえば、自分は後者の方を選びたい」。これは、ぼくが尊敬する岸本尚毅さんの言葉と記憶しています。岩田由美さんは尚毅さんの奥さまです。

     青嵐あれから子猫見かけない