木魚歳時記 第1631話

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 月光が革手袋に来て触るる  山口青邨

 他に{たんぽゝや長江濁るとこしなへ}{舞姫はリラの花より濃くにほふ}の作品もあります。「表現するための工夫は難しいことであったが、私に課せられた一つの仕事と思って課し続けてきた」。とは作者の弁です。大学教授として学問の研究と合わせて俳句の創作を「課し続けられた」努力のあることを知って安堵する思いです。ましてやこのぼくなどが、日夜、句作に悩むのは当然のことです。

    裸木の山食らひたる騙し癖