木魚歳時記 第1621話

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   雪の中人かたまつて匂ひ出す   岡本 眸

{うそばかり言う男らとビール飲む}{洗ふとて食器二三や昼の虫}{夜は雨といふ草餅の草のいろ}日常性を詠みながら、自分の世界を自分の言葉で詠んで、読者の心をなごませます。読んでいて肩に力の入らないのがこの作家の特質です。蛇笏賞(第41回)の大作家ですが「目の前の些事こそ大事」と言われるように、あまりむつかしい作品は作られないようです。

      しづり雪これより後期高齢者