木魚歳時記 第1229話

f:id:mokugyo-sin:20140105032428j:plain

笠置

 京都の南部を流れる木津川の上流で川幅が一番に狭い所が笠置(かさぎ)であります。このあたりの笠置山には真言宗の名刹笠置寺があり笠置の名に因む伝説も残されています。カサキ(漸岐・浸道)は、水かさ(嵩)が増して人の通るところが無くなるという意味だそうです。つまり、道が木津川の水に漬かってしまうというのが笠置という名の由来であります。山が迫っていて、伊賀に抜ける伊賀街道も、奈良にいたる飛鳥路(あすかじ)もそんな交通の要衝である笠置の一帯も、木津川の水が増水すればすぐに駄目になってしまう。昔の人たちにとって自然との闘いがいかに大変であったかが想像できます。
JP関西線笠置

     大棚に一つ残りし種ふくべ