木魚歳時記 第1217話

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木幡

 木幡(こわた)は、山科川(やましながわ)が宇治川と合流する処ににあります。三方を山に山に囲まれた山科(やましな)の水が集まる所ですから、木幡(こわた)の一帯は、昔は、沼沢(しょうたく)が広がっていたのでありましょう。 『万葉集に』に、コハタはコハ田という田であったという記述が見えるそうです。それは「新たにクワ(鍬)をおろして開いたクハタ(鍬田)」が、コワタ(木幡)の原義であるといわれています。この木幡から山科野(やましなの)に至る湿原は、巨椋池(おぐらいけ)と同様に水鳥やそれを獲物とする小動物の集まる処ですから、狩猟を楽しむ公達(きんだち)の格好の猟場となっていたようです。
京阪電鉄宇治線木幡

     こほろぎの脚が一つもげました