東洋の図形
東洋、なかんづく、中国においては、万物を構成する要素は、水・火・木・金・土の五行(ごぎょう)すなわち、五要素であると考えたようです。『唐鏡1』に「此の五常、天にては五緯なり、地にては五獄なり、人にありては五蔵なり、物にありては五行なり」と記述されます。
こうした、東洋的な宇宙の構成要素が、中国において見える形として示された一つに五重塔があります。現存するものとしては、五台山(ごだいさん)の五重塔が有名であります。中国で発達した建造物としての五重塔は、やがて、わが国における三重塔、五重塔、その他の多層塔の造営に多大の影響を与えたようです。