木魚歳時記 第1032話

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山が笑う 空が笑う 私が光る (石川 洋)

 「好きな俳人は?」と尋ねられ、迷うことなく西東三鬼と答えました。その理由は「言葉の魔術師」に惹かれたからです。
  
  水枕ガバリと寒い海がある 三鬼
 
 揚句は「三鬼が肺浸潤の高熱に犯されたとき、死の影が寒々とした海となって迫る」。そんな体験句と知り驚きました。三鬼は「俳句に異様なことを詠む必要はない。日常生活の断片が平凡と見えないのは、作者の生命の火が燃えているからだ。ぼんやりとしていては駄目だ」。と語っています。

     夕暮るる理科教室に熱帯魚