木魚歳時記 第991話

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散ったお花のたましひは、みほとけさまの花ぞのに、
ひとつのこらず生れるの。
だってお花はやさしくて、おてんとさまがよぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
ちょうちょうにあまいみつをやり ひとにゃにおいをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、やはりすなおについてゆき、なきながらさえも、
ままごとの、ごはんになってくれるから。(金子みすゞ


 「月影の 至らぬ里はなけれども 眺むる人の 心にぞ住む」。法然上人(ほうねんしょうにん)のお歌です。月の光りはすべてを照らして、わけへだてすることがありません。しかし、そのことにわたしたちが気づかないだけのことです。月の光りとは、衆生を悟りにみちびこうとする菩薩(ぼさつ)の願いと行動です。これを「菩薩道」(ぼさつどう)といい「慈悲」(じひ)の救いといたします。

      夏めきて波ひかりだす日本海