木魚歳時記 第857話

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足ることを知るは第一の富

 『ダンマ・パタ』(真理についての詩)にあることばです。『ダンマ・パダ』は訳されて『法句経』(ほっくきょう)の名で知られています。『法句経』(ほっくきょう)は、前に出た『スッタニパータ』とおなじように、初期の段階で編纂(へんさん)された教典群ですから、釈迦(しゃか)のことばに直接に触れる思いがします。
 ぼくの寺には、昔、寺の入り口に「知足」(ちそく)と刻んだ自然木(しぜんぼく)が掲げてありました。お寺に出入りするたびに「足(た)ることを知る」を確認できたわけです。恥ずかしながら、ぼくは、それを意識せずに育ちました。ぼくの<おやじ>は「お寺てありがたいなぁ」と口癖(くせ)のようにいっていましたから・・掲げていたのでしょう。

    鳴いて飛びそして又鳴く法師蝉