木魚歳時記 第212話

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口裂きの 火だねのごとし 雀の巣

 古代インド語のスートラは記録という意味です。漢字の「経」は物事のすじみち…つまり「聖人が記述した書物」の意味です。そこで、仏教経典とば「釈迦の教えの集大成」となります。

 経典は、釈迦ご自身が記述されたのではありません。釈迦の弟子たちにより、長い年月をかけて編纂、集大成されました。ですから、経典・論書の類は多岐多様にわたります。後世、その経典・論書の説くところに基いて教団や宗派が誕生したのです。また、経典・論書の研究が進むにつれ、それらの優れた解説書が出版されるようになり、わたしたち一般人の仏教理解も深まりつつあります。

 このように経典・論書の類が沢山あって、仏教は一見すると複雑に見えますが、「迦の教えがあって弟子たちの教えも生まれた。」そのように考えれば、多くの「仏教経典」も、「仏教教団」も、「仏教信仰のありかた」も、みんなお釈迦さまの教えであると考えて相違はありません。


     「舳倉島 海女の尻より 春麗