木魚歳時記 第170話

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空リフト 北の童子の 坐りをり

 魚には瞼(まぶた)がありません。ですから、眠っているときも目は開いたままです。起きているのか眠ったのか、体の色を見て判別するそうです。また、回遊魚の中には眠らずに泳ぎ続ける魚もあるそうです。

 さて、「木魚」(もくぎょ)には二種類あります。読経のときにに用いられる空洞のある仏具と、もう一つは、寺の廊下などで見かける「魚板」(ぎょばん)です。これは黄檗禅(おうばくぜん)とともに、中国より伝わったといわています。この魚板を打ち鳴らすことで、儀式の合図に用いるようです。また「魚は昼夜とも眠らない」と考えらたところから、修行の怠情を戒め、覚醒(かくせい)をうながすために用いられた、との説もあります。

 ぼくは木魚と称しています。2年前から俳句、半年前から水彩画を始めました。ところが「朝覚めず 昼まどろみて 晩早寝」。そんな日々を過ごしていますから、句作も水彩画(挿入)も一向に上達をいたしません。

   「北風や 乳母日傘の 痩我慢」