木魚歳時記 第128話

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竿頭に 只管打坐する 青蛙

孫悟空(そんごくう)となる

 美猴王が「不老不死」の術を学ぶため、たずねてきた神仙とは如何なる人物でありましょうか。

 仙童に案内されるがまま洞窟に入ると、そこはずっと奥まで、楼閣と宮殿が重なり、また部屋部屋もいっぱいあって、弟子たちが三十人くらい、神仙、つまり菩提禅師の座す玉の台まで待立し、その厳かなことといったら、美猴王はその場にひれ伏してしまいます。
 禅師と美猴王の丁々発止はさておき、禅師に「おまえの生まれは何処か?」と尋ねられ、石猿が「東の傲來国(ごうらいこく)果花山の仙石より…」と答えますと、その一言で「それなら、天地の申し子、そなたを<孫悟空>(そんごくう)と名づけよう」。と、まことに有難い法名(ほうみょう)を授かったのであります。