木魚歳時記 第109話

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独尊の ひねもす眠る 日永かな

唯我独尊(ゆいがどくそん)

 伝説によれば、釈迦は生れるなり七歩あゆまれ、天と地を指して「天上天下唯我独尊」とおっしゃられた…とあります。生まれるなり自分ほど偉い者はない、おそらくこれは、後世、釈迦を追慕するあまりの創作でありましょう。でも、これを「世界中で私という存在は唯一つしかない。だから、そのこと自体が尊い」。と、ぼくは解釈することにしています。
   夜空に輝く 多くの星たちの中で 
   わたしという星は ただ一つしかない。
   だから その輝きを競うのでなく 
   わたしという輝きを大切にして
   精一杯 輝いてほしい
 つまり「唯我独尊」とは、身分的、職業的差別の強い(当時)インドにあって、平等社会をめざす「人間自覚」(個人尊重)の高らかな宣言でありました。