2014-01-03から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1110話

西洋の図形 プラトンは、宇宙は、五つの正多面体(プラトンの多面体)で構成されると考えました。すなわち、宇宙は、地・水・火・風の四大元素と、それらを入れる「宇宙の器」の五大要素で構成されていると考えたのです。 この、五大要素を図形化したものに…

木魚歳時記 第1109話

卒塔婆 卒塔婆(そとば)は、サンスクリット語のスツーパの音写です。古代インドにおいては、土饅頭型(どまんじゅう)に盛り上げた墓または塚のことをスツーパといいました。舎利(骨)信仰の発展に伴って、スツーパ(塔)の形式も変化し、とりわけ、中国に…

木魚歳時記 第1108話

宝篋印塔 宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)を納めるのでその名があるようです。宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、段状の基壇の上に、方形の塔身を置き、その上に屋根を載せ、四隅に飾り((中国では山華蕉葉という…

木魚歳時記 第1107話

五輪塔 五輪塔(写真右)は、下から立方体、球、四角錐、半球、宝珠形を積み上げた供養塔(墓)で、それぞれに、地・水・火・風・空の漢字もしくは梵字(サンスクリット文字)が刻み込まれる場合が多いようです。 五輪塔は、インドの宇宙観ともいえる五大(…

木魚歳時記 第1106話

雲水 雲水とは「行雲流水」(こううんりゅうすい)を省略したことばです。禅の修行僧を「雲水」と呼ぶのは、行く雲のように流れる水のように、定住することなく、諸方に師を求めて遊行(ゆぎょう)することからきています。 仏教美術には、雲の形、水の形が…

木魚歳時記 第1105話

宝珠形 宝珠(ほうしゅ)は、五輪塔の最上段に置かれます。また、寺の回廊とか橋の欄干(らんかん)に設けられたおなじみの擬宝珠(ぎぼし)の形を想像していただけるとよくわかると思います。 宝株(ほうしゅ)は、サンスクリット語のマニの漢訳語です。し…

木魚歳時記 第1104話

円形 五大(空・風・火・水・地)では、水に相当いたします。水を形にあてはめるならば球形ということになります。 「行雲流水」のことばがありますが、仏教では「融通無碍」(ゆうずうむげ)といって、一定の考え方にとらわれることなく、どんな事態にも柔…

木魚歳時記 第1103話

八角形 辺の数の最も少ないのが三角形とするならば、造形物として辺の数が最も多いのが八角形ということになるのでしょうか? 釈迦(しゃか)が悟りをひらかれたとき、すなわち成道(じょうどう)されたときの座所(ざしょ)のことを「金剛宝座」(こんごう…

木魚歳時記 第1102話

六角形 京都の烏丸(からすま)六角に、六角堂があります。姉・三・六角・蛸・錦・・京の南北の通り名歌に読み込まれたこのあたりは「京のヘソ」と呼ばれています。六角通りの名称は、この六角堂に由来します。 六角堂は親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、…

木魚歳時記 第1101話

五角形 三角形、四角形にくらべると人為的に五角形を作図することはむつかしい。そのことに関係があるのかどうかわかりませんが、寺院建築にかぎらず五角形の建造物や構造物は数が少ないように思います。 ところで、日本の伝統文化において五角形の思想が皆…