木魚歳時記 第3955話

f:id:mokugyo-sin:20191014174334j:plain

 たらちねは恋に命を更(か)ふべしと知らでやわれを生(おう)し立てけむ
 と彼女は僧正遍昭の「たらちねはかかれとてしもうば玉のわが黒髪を撫でずやありけむ」の換骨奪胎(かんこつだったい)をこう歌ったのは、
「お母さまはまさかわたしを、こんあ命がけで恋するような女にしようと思ってお育て下さったわけでもございませんでしたろうに」と彼女のすばらしい告白である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)630

      月光の中にふしぎに草もやう

「ボクの細道]好きな俳句(1703) 松尾芭蕉さん。「海くれて鴨のこゑほのかに白し」(芭蕉) 自然詠の佳作です。
      
      多く 経を暗唱しても

      理解しなければ 益があろうか
      一つでも 真理のことばを理解し
      実行して 悟りを得るに及ばない(ブッダ)

 蟇(がま)5 それから、いくらかの気味悪さを押し隠して、おまえを手でさすってやるよ、蟇(がま)君!
人間はこの世の中で、もっとも胸糞(むなくそ)の悪くなるようなものを、いくらも呑み込んでいるんだ。