木魚歳時記 第3787話

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 さすがに趣味の洗練されていた彼らは、まず文学としてこれを楽しみ、愛読の結果はこれを直接に生活してみようとまで思い込んだのは藤原俊成など一派の歌人たちであった。 彼等は『摩訶止観』のなかに彼らのかねがね考えていた有心の詩歌論に近いものを見出して共鳴したのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)479

       鯉のぼりただいまだらり休憩中

 「ボクの細道]好きな俳句(1538) 岩淵喜代子さん。「受験期や深空に鳥の隠れ穴」(喜代子) 宇宙の果てまで探しても、空に隠れ穴など見つからないでしょう。すなわち「隠れ穴」とは比喩です。受験期の子どもに「逃げ場」などありません。それでも苛酷な受験生にホツとするような憩の場は与えてあげたい。

 鵞鳥(がちょう)2  実をいうと、彼女は鵞鳥を追って行くというよりも、そのあとについて行くのだ。編物をしながら、機械的に、その一団のあとを歩いて行くだけで、あとは大人のように分別のあるトゥルウズの鵞鳥に任せきりにしている。