木魚歳時記 第3788話

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 『摩訶止観』の止観とは「法性寂然タルヲ止ト名ヅケ、寂ニシテ常ニ照スヲ観ト名ヅク」とあるのを見て、これを彼らの詩歌の指針としょうとしたのである。
 止観の教えるところは明鏡止水(めいきょうしすい)の心境を求めよといっている。しかしこの心境だけではついに独善にしかすぎない。その明鏡止水の如き私心のなしずかな心に森羅万象をうつし味わえば、自らな生命の神秘を知り、もののあわれに徹するであろうと彼らは考えたのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)480

       六月の空いつぱいにお日さまが

 「ボクの細道]好きな俳句(1539) 岩淵喜代子さん。「野外劇場男と女つと立ちて」(喜代子) どうしたストリー(筋道)なのかそれはわかりません。しかし、野外劇場であり、男と女が「つと立つ」とは、舞台でのことか? 観客席の出来事か? ボクは後者であると思います。上演中にもかかわらず「つと立つ男女の二人」。ここから舞台とは違う物語が展開するからです。

 鵞鳥(がちょう)3  トゥウルウズの鵞鳥は、道順も、草のよしあしも、小屋へ帰る時間もちゃんと知っている。