木魚歳時記 第2349話

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 (ブログ筆者より)
 少し長くなりましたが、ブッダ(釈尊)とバラモンの修行僧である、スンダリカ・バーラドヴァージャバーラドとの対話の項を終わります。次に『スッタニパータ』は、マーガと呼ばれる青年が、王舎城の近くの「鷲の峰」に居られるブッダ(釈尊)を尋ね、ブッダと問答する形で進められる(マーガ)の項に移ります。

 [ボクの細道]好きな俳句(120) 山口誓子さん。「蟋蟀が深き地中を覗き込む」(誓子) 蟋蟀(こおろぎ)を観察した一句です。こうした作品を暗喩(あんゆ)というのでしょうか、作品の中に何か作者の<思い>が込められていることがわかります。作者がコオロギに乗り移ったというのでしょうか。だからこそ作品に奥行きが増したことに気づきます。誓子さんの作品には練り上げられた羊羹(ようかん)のような艶(つや)を感じます。それは、五・七・五の構成に周到な配慮がほどこされているからです。

          鹿の子が楡の木陰で寝てゐます 

                            楡(にれ)