木魚歳時記 第526話

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 「これが存在すれば、あれも存在する。これが生ずれば、あれも生ずる。これが存在しなければ、あれも存在しない。これが滅すれば、あれも滅する」。原始経典にある言葉です。これは「縁起」(えんぎ)と呼ばれ、仏教の基本的な考えを示すものとされます。

 [因果」(いんが)、つまり原因があって結果が起こる。こうした考え方は仏教以前にもありました。しかし、因果が時間的な流れに中心を置くのに対して、「縁起」(えんぎ)は、あらゆる<条件>の重なりを重視します。つまり空間的な成り立ちに重点を置くのです。よく「持ちつ持たれつ」とか「生かされて生きる」と説かれるのは、この「縁起」の説明であります。縁起、つまり今の言葉でいえば<共存>を説かれたのが、釈迦の教え・仏教です。

   山門に入るを許さる初しぐれ