木魚歳時記第4855話

 (五)念仏の聖徒を死ねばよしかに扱っている、だれが死んでやるものか。これこのとおり念仏申し申し、こうして生き貫いてやるぞと、綽空は強い。
 彼は流刑と聞いた時から、法規に従い農耕の覚悟ができていた。だから郡司年景にその決意を申し出た。始め都人のそれも九条家のむこ殿ががと取り合わなかった年景も、相手の真摯と決意に動かされて、国司に謀り、大場村の一豪家に農事手伝いを取り持った。(佐藤春夫『極楽から来た』)

          仏壇の中が暑いぞなんとかせい

 なんとかせいと云われても! 真夏、西日のカンカン照り付ける仏間で、お仏檀を締め切っていたら! お饅頭(まんじゅう)がコチコチに! 夏ミカンの底が! これはもうどうにもなりません。好きな俳句の一つです(笑)。