木魚歳時記第4449話

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 じりじり押されて行く衆徒のなかに、坂四郎永覚という音にひびいた剛の者の悪僧がいて、萌黄(もえぎ)おどしの鎧(よろい)帽子甲(かぶと)に身を固め、白柄の大薙刀(おおな訊きなた)を揮って馬の脚をなぎ倒し、兵の胴腹をぶち切り、同宿十余人の一隊をはげまし、暫く官軍の進撃を阻んで最後まで踏みとどまって居たが、あたりに味方がひとりもいなくなったのに気づくと、大薙刀を振りまわしながら集る矢を巧みにかわして夕闇のなかにを南に落ちて行った。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1098

       浮草の半分青い物語

 「ボクの細道]好きな俳句(2190) 京極杞陽さん。「初湯中黛ジユンの歌謡曲」(杞陽) お屠蘇いただき、お節(せち)に舌鼓を打ち、それから、また、温泉に浸かりながら黛(まゆずみ)ジユンを聞く・・至福のひとときです。

おこるなしゃべるなむさぼるな
ゆっくりあるけしっかりあるけ 
(種田山頭火)