木魚歳時記 第3884話

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 勾欄(こうらん)に寄ってみると、同じことなら、この上で鞠(まり)を蹴ってみようと思い立ち、蹴鞠(けまり)の沓(くつ)のまま勾欄(こうらん)の上を、東から西へ、西から東へと立ち直って鞠(まり)を事もなげに蹴りあげつ二度渡った。参詣人四、五人、寺の僧七、八人、成通の従者三、四人、これを見て肝をひやしたが、この話を聞いた宗通は、
(佐藤春夫『極楽から来た』)568

     ヘビ・トカゲ・ムカデ・ゲジゲジ蚯蚓鳴く  蚯蚓(みみず)

 「ボクの細道]好きな俳句(1633) 種田山頭火さん。「かげもいつしよにあるく」(山頭火) 影が身から離れない。あたりまえのことです。しかし、山頭火さんがいうと、超一流のマジシャンの芸を見たような、独特の陶酔を感じるから不思議です。山頭火さんフアンが生まれる所以です。「法自在王菩薩の華鬘は 摂取不捨の功徳あり」(梶原重道『菩薩曼荼羅』)

 豚(ぶた)2 お前は蕪(かぶら)の葉のような耳の陰に、黒すぐりの小さな眼を隠している。
 お前はまるすぐりのような便々たる腹をしている。
 お前はまたまるすぐりのように長い毛を生やし、また、まるすぐりのように透き通った肌をし、先の巻いた短い尻尾(しっぽ)付けている。