木魚歳時記 第3776話

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 聖の住所はどこどこぞ。大峰葛城石の槌、箕面よ勝尾よ、播磨なる書写(そさ) の山、南は熊野の那智新宮
 という『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)に見える一首はこれを歌ったものであるが、石の槌というのは四国の石槌山(いしづちさん)であろう。都の近くより遠く不便な地に道場が多かったことがわかるが、同じ叡山のなかでも黒谷大原のような場所は地方道場なみに別所(べっしょ)と呼ばれたものであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)468

       粛々と公務をへられ南風       南風(みなみかぜ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1527) 夏井いつきさん。「空蝉となるべく脚を定めけり」(いつき) 地上に出てからが、地虫(蝉の幼虫)は勝負の始まりです。羽化の位置を一歩誤まれば、数年の土中の暮しが無駄となります。その瞬間を描いてまざまざとその影像が浮かぶのは、さすが、いつきさんと感服いたします。

 雄鳥(おんどり)2ー5 雄鳥は自分の雌鳥をみんな呼びあつめ、そしてその先頭に立って歩く。見よ、彼女らは残らず彼のもの。どれもこれも彼を愛し、彼を畏(おそ)れている・・が、相手は燕どものあこがれの主である。

         * 28日は『木魚歳時記』お休みさせていただきました。