木魚歳時記 第3772話

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 円融(えんゆう)天皇の后であった三条太皇太后が出家を思い立ち、増賀を導師に頼むと、めずらしく二つ返事で引き受けて宮中へ参り、無事に髪下しの儀をすまして、いよいよ退出に及んで、
「わしをお召しになった理由が解せない。わしの一物の大きいことを聞かれてのことかな」
 と、大声でつぶやくのに、宮も女房たちもあっけにとられているのをしり目にかけて増賀は白雲の如く悠々たるものだ。
(佐藤春夫『極楽から来た』)465

       天辺に登りつめたる猫の恋

 「ボクの細道]好きな俳句(1522) 夏井いつきさん。「遺失物係の窓のヒヤシンス」(いつき)  夏井いつきさんが常におっしゃることは、「影像が描けるか」。つまり「五感」の存。「遠近」の存。などのことです。そのためには、五・七・五の無駄な「ことば」を極力排除されます。これに「発想力」展開が加われば申し分ないわけです。が、わかっていますができません。凡人の凡作たる所以です。

 雄鳥(おんどり)2ー1 毎朝、止まり木から飛び降りると、雄鳥は相手がやっぱり彼処(あそこ)いるかどうか眺めてみるーー相手はやっぱりそこにいる。