木魚歳時記 第3706話 

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 もっともこの行法結果やがて一身は蛇体に転身するとともに人間の一形(いちぎょう)は自然に滅するわけである。秘法は神秘でよくわからないが、おそらくは加持(かじ)の後絶食でもした一種の厭世自殺であったろうか。
 今生の成道の絶望に蛇身を受けて弥勒を待とうと師が生活に即した仏教に徹したのは有り難いが、その志はあまりにも悲痛である。法然は深く吐息した。
(佐藤春夫『極楽から来た』)403

       藪つばき中よりばさと大き鳥

 「ボクの細道]好きな俳句(1457) 矢島渚男さん。「力ある風出てきたり鯉幟」(渚男) 風がなければ鯉幟(こいのぼり)はどうしようもありません。マイナス思考の発想をプラス方向(風出てきたり)に転換して成功した作品です。さて、セミのおしっこについ。子どものころ、よく蝉(せみ)捕りをしました。もちろん狙うのはクマゼミです。欅(けやき)に群がり腹部(発音器官)をこすって「しゃ~しゃ~」鳴くのはオスだそうです。あれは求愛のサインだそうです。最後に「おしっこ」(樹液を吸った残りの水分)をひっかけられておしまいです。