木魚歳時記 第3624話

f:id:mokugyo-sin:20181128064011j:plain

 あとから思えば、当時、皇円は求道に絶望して史的著述に志していたので、彼はすぐれた少年学侶を導くことで、また新しい求道の意欲が生まれるかも知れないという一道の微光を感じてこの少年を引き受けたものらしい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)325

      夜濯のしやぼりしやぼりと外科病棟

 「ボクの細道]好きな俳句(1375) 秋元不死男さん。「鳥渡るこきこきこきと罐切れば」(不死男) 代表句です。「こきこきこき」のオノマトペ(擬音語)が軽快に響きます。その罐切(かんきり)の動作と、「鳥渡る」の季語との取り合わせ、つまり「二物衝撃」の効果が絶妙に発揮された作品です。