木魚歳時記 第3385話

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 「末世の人には珍しく奇特な遺言をされましたな。小矢児の話も聞き伝えて武士になる子かと思ったに、やはり出家する人でしたか。これもめでたい。当人がその気ならいつでも世話はします。ゆつくりお考え置きなさい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)89

     僧院にガム噛む少女夏きざす

 「ボクの細道]好きな俳句(1134) 摂津幸彦さん。「さやうなら笑窪荻窪とろゝそば」(幸彦) 笑窪荻窪(えくぼおぎくぼ)がなんとも心地よいようでさびしい。この作品が早世される末期の作品であるとしたらあまりにも悲しい。次にご紹介する田中裕明さんと摂津幸彦さんの作品は、ボクの心の片隅に居ついて離れることがありません。