木魚歳時記 第1051話

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人はみとめられるところから心をひらく (石川 洋)

 「顕微鏡で花の構造を仔細に点検すれば、花の美しさが消滅するという考えは途方もない偏見である。花の美しさはかえってそのために深められるばかりである。花の植物生理的機能を学んで後に始めて充分に、咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることもできるであろう。」(寺田寅彦
 医学者で、京都大学の総長もつとめられた平沢興博士は、人体細胞に分け入ってわけ入って研究するうちに「いのち」の尊厳に到達した。それは仏教的なものですらあった。そんなことを書いておられたのを思い出します。

    ためらはず酒房に入るや夏解の僧