木魚歳時記 第308話

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心経の 一音凍る 修験道

 南禅寺の「水路閣」の下から小道を山手に登ると、大小の岩に囲まれた修験の場があります。寒中の凍る大気の中で、一心不乱に「般若心経」(はんにゃしんきょう)を唱え、まさに「色即是空」(しきそくぜくう)の人影がありました。

   「誠に実に此世は試練の場所なり」(内村 鑑三)

 当時、比叡山延暦寺(天台)は南都の高野山(真言)と肩をならべる仏教学のメッカ(総本山)でありました。その比叡山において、法然上人は「知恵第一の法然房」と称され、いずれは天台座主をも約束されるような学僧となられたのです。