木魚歳時記 第238話

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こほりどけ 昨夜のことの 嘘くささ (再掲)

 願わくばこの功徳(くどく)を以って、平等一切に施し、同じく菩提新を発(おこ)して、安楽国(あんらっこく)に往生(おうじょう)せん。

 

 十番目は「総回向偈」(そうえこうげ)であります。これまで、この「日常勤行」(にちじょうごんぎょう)において、身も心も清くなるよう努め、釈迦の教え「仏教」を信ずることを誓い、釈迦の教え「経典」を読誦(どくじゅ)し、法然上人の教え「一枚起請文」を拝読し、そして「念仏」(ナムアミダブツ)をお称えいたしました。
 その功徳(くどく)・ご利益(りやく)を自分自身のためだけに用いるのでなく、有縁(縁のある人)無縁(縁のない人)を問わず、人類のすべてに対して、いや、人類だけでなく「生きとし生けるすべてのもの」に対して「振り向け」「分かちあう」。このことを誓うのがこの文(もん)です。
 釈迦の教え、すなわち「仏教」のもっとも素晴らしいところは、自分だけが幸せとなるのではない。すべての「生きとし生けるもの」が幸せとなるにはどうすればよいか、それを考え実践する。つまり「菩心」(ぼだいしん)を起すことです。